新刊「さまよう神姫の剣使徒」告知&「ひき神」雑感その2

 5月18日、富士見ファンタジア文庫より「さまよう神姫の剣使徒デュエリスト)」が発売になります。



 一言でいえば、ダンジョンを舞台にしたバディもの。
 ポンコツ女神と落ちこぼれ探索士のコンビが活躍します。
 私にとっては初めての異世界ファンタジー
 シリーズ化できればいいんですが……こればっかりは皆様のご支援次第ですね。
 よろしくお願いいたします。




 さて、少々遅くなりましたが、以下は皆様のおかげをもちまして先日無事完結しました「ひきこもりの彼女は神なのです。」
 『天秤の会』の残りのメンバーについての一言コメント&裏話。


【和泉コウタ】
 男の子っぽいけど女の子。高性能乙女回路搭載。
 名前を漢字で書くと小詩。ただ命名した母親が早くに亡くなってしまったので、漢字表記や正確なイントネーションが伝わらないまま来てしまい、天人が誤解する羽目に。
 優秀な魔術師なんですが、周囲が周囲なのであまり目立たなかったかも。最終巻なんかも紙幅と執筆時間が許せばもう少し出番をあげたかったんですけどね。結果的にあんまり報われてない……
 幼いころは実験体的な扱いを受けていて、ほとんど口を開いていません。一人称がボクだったり口調が微妙に男っぽいのは、救出されたあと傍に居たリョウタの真似をしたから。
 ちなみに性別は一巻開始時から決まっていました。女の子であることが明かされる三巻ラストまで「男」「少年」「弟」等の表現は一度もしていませんし、女性である伏線もちょくちょく張っています。


【ウルリカ】
 犬メイド幼女。我ながら属性盛りすぎかなと思わないでもなかったですが、人気でした。よかった。
 無邪気で裏表のない良い子です。趣味は天人と遊ぶことと、食べること。カレーやタマネギも平気。天人が来て以降、料理にも興味を覚えたので修行中。
 基本的には誰に対しても好意的。ただし亜夜花を苛める氷室結(ロキ)と氷室海里(ヨルムンガンド)は嫌い。
 元ネタは北欧神話の地獄の番犬ガルムです。フェンリルと同一視、あるいは同族と解釈する向きもあるようですね。だから大神太陽とは仲良し。
 モデルがわんこということで、家で買ってる犬の行動や仕草なんかを参考にしてみたりしました。作者、犬派です(猫も好きですが)。


御子神てとら】
 何も考えてないようで、実は色々考えてる人。
 元ネタはユダヤ教キリスト教の主神YHVH。男性格と認識されていることが多いですが、元々は性別のある神ではないので女性として描きました。その方が楽しいし。
 たいてい何か食べてるか寝てるかしてます。大喰らいですがグルメではありません。一皿のフォアグラと一カップの特大インスタントラーメンなら後者を選ぶ。
 食っちゃ寝しているのは喪われつつある力を温存するため、とは本人の主張。真偽は不明で、あるいは単なる趣味かもしれません。毎日が安息日
 余談ですが寮内一の巨乳。(てとら>千那>万那>《平均サイズの壁》>梨玖>亜夜花>コウタ>ウルリカ)


【柚原万那】
 やや派手めな外見ですが、実は面倒見のいいお姉さん。意外に人気がありました。
 多分作中一、二を争うくらいの常識神。基本的には陽気な遊び人なんですが、かなり人間寄りの感性をしているため、周囲の神々の言動に胃の痛い思いをすることもしばしば。
 学校でも人の輪の中心に居るタイプですが、本領はリーダーというよりサポートや調整役でしょうね。
 元ネタはウガリット神話の女神アスタルテ。軍神、または豊穣多産の神として、民衆に人気があったようです。遊び好きで人間びいきというのはその辺りを反映しています。


【柚原千那】
 万那の姉で一二三の妹。(地雷を踏まない限り)言動は穏やかですが、性格はそうでもありません。全てにおいてやり過ぎるか全くできないか、極端な人。
 曙光山学園ではやや天然でおしとやかな美人で通ってますが、万那ができるだけ傍に張り付いてボロが出ないようフォローしまくった結果でもあります。
 元ネタはウガリット神話の女神アナト。アスタルテと同一視する説もありますが、軍神としての苛烈な性格を彼女より強く残しています。兄神にデレデレで、兄の敵を八つ裂きにしたうえ石臼で粉にして地面にばら撒いたり、ムカついたので人間をぶっ殺しまくったりと印象的なエピソードの多い神様。


【柚原一二三】
 千那万那の兄。オタク、というか人間のサブカル文化全般が好き。妙な口調もある程度自覚的に、楽しんでやっています。
 イラストにしてもらう機会はありませんでしたが、人間時の姿は爽やかイケメン(無自覚)。
 元ネタはウガリット神話の嵐の神バアル。広く信仰された神のようで、聖書なんかにも敵役として名前が出てきます。後に悪魔として知られるようにもなりましたね。
 バアルのような古いのになると特に顕著なんですが、神々や神話は時代とともに変化したり他地域のものと習合したりするので、解釈はかなり好き勝手にやっております。


【和泉リョウタ】
 コウタの兄(というか保護者)。チャラい外見ですが、意外に義理堅い人。
 最初の召喚主(コウタの母親)の願いを聞き届け、コウタの面倒をみてきました。いきなり子育てする羽目になって内心困惑しただろうなーと思います。
 途中色々怪しい動きを見せていましたが、一応これも彼なりの誠実さでコウタのことを考えた結果。
 あんまり描く機会はありませんでしたが、なぜか一二三とウマが合う。
 元ネタは悪魔べリアル。キリスト教的世界観のなかで悪魔とされたバアルとは近い関係ですね。